ちろる

アートスクール・コンフィデンシャルのちろるのレビュー・感想・評価

3.6
何者でもない僕
でも、絵だけは誰にも負けないと思っていた

美大に入ったら、誰もが驚く絵を描いて、天才だと知らしめたら、学園一の美女と付き合って、童貞を卒業したい。
ただそれだけで突き進んだ結果が、こうなるなんて・・・

あまりにもぶっとんだエンディングに口あんぐりなのだが、なぜだかこの主人公をかわいそうだと思わないのは、この男もかなり問題ありありだから。
でも、美大だとあるのかなぁー?
才能がないないと言われて、何者かになろうとして他の才能を拝借したくなること。
このジェロームにとってこの何者かになりたい躍動の元がモテたいだった。
これは浅はかなようだけど一番シンプルな欲望。
その欲望は悲しくもラストまで叶えられなかったのが一番の悔いの残る点だけど、最後に自分の本当に描きたい絵に出会えてそれを描けるジェロームは少し幸せそうだった。

これははたしてハッピーエンドなのか???
かなり複雑なブラックコメディだけど、競争率高いアートスクールだと、あながち笑えないのではないかと思ったりもしたお話でした。
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