Azuという名のブシェミ夫人

アートスクール・コンフィデンシャルのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

3.5
『ゴーストワールド』からの流れで同監督のこの作品。

イタい人間を撮るのが上手いこの監督が美術学校を描くとこうなる。
・・・と言うより脚本家がこれはリアルだと語っていたから凄いな美術学校。
『ゴーストワールド』のイーニドだらけ。
学生から教師まで、全員が10代の“定まらない方向性”をこじらせたまま生きてる。
そういう世界を強烈に皮肉って、でも嘲笑するわけでなく、実はこよなく愛してるんだなぁこの監督は。


アートにしても、映画にしても、その他音楽やファッションも何が突然もてはやされるかなんて結局のところ誰にも分からない。
少数派が多数派に変わる。
途端にそれが“基準”となる。
生前には見過ごされてきた作品が、死後幾年も経ってから注目されたりする。
出来れば流されたくない。
自分の感性で、好きだと思うものを好きだと言いたい。
でも決して妄信的にではなくて。

主人公にとって、これはハッピーエンドなのかもしれない。
彼が何より手にしたかった物は、ちゃんと彼の元にある。

ジョン・マルコヴィッチ、ジム・ブロードベント、良い役者さん達が、良いイタさを発揮して何気に豪華。
ブシェミもチョイ役でね❤