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石の詩のBONのレビュー・感想・評価

石の詩(1963年製作の映画)
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当時映画界から干されていた松本俊夫がテレビ時代に制作したシネポエム。前年に公開されたSFの名作、クリス・マルケル『ラ・ジュテ』(1962)と同様の実験的アプローチをしたスチル構成映画。瀬戸内海に臨む御影石の産地・庵治村で石工たちが石を切り出す姿や石材に埋め尽くされたスチルが並ぶ。一枚画のフレームで完結する写真をまた別のフレームに切り直す試みを行うことで、映画とは対極にある沈黙する石が動き、やがて生を受けて映画に変化していく。映画表現、映画の作用とは何か改めて考えさせられる。音楽が最高でした。
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