そろそろ

バード★シットのそろそろのネタバレレビュー・内容・結末

バード★シット(1970年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ヨレヨレのオーケストラをバックにタイトルロールが流れる。演奏がとちったところでタイトルも一緒に引っ込むのをみてこれは好きなやつだと確信した。

自力で空を飛びたい少年と彼を見守る女性。少年を邪魔する人々が次々殺されていくのだが、ひどい状態の遺体=血まみれではなく鳥の糞まみれというのに脱力する

アンチハリウッド、アンチ予定調和、徹底した反骨精神。あれ何かここちょっとおかしくない?というレベルではない。全てが狂っている。
道路の真ん中を車椅子で滑走するジジイ、筋トレするナードな少年とその少年を想い隣で自慰に耽る少女、線路上のゆるゆるカーチェイスなど監督が頭に浮かんだものをそのまま映像にぶつけたみたいなやりたい放題ぶりが観ていて楽しい。バッドコートやシェリーデュヴァルの昔の絵本から飛び出してきたみたいなビジュアルもこの映画の壊れた世界観にばっちりはまっている

束の間の夢を叶えた後、人は鳥にはなれないという至極当然の結論を叩きつけるラスト。の後に出演者がサーカス団に扮して出てくるのわけわからな過ぎて最高だった。でもあのサーカス団が本来の姿だと考えるとこの荒唐無稽さもなんかしっくりくる。

これはふと思い出したとき読み返したくなる漫画みたいな映画だ
そろそろ

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