Automne

ロッキー5/最後のドラマのAutomneのレビュー・感想・評価

ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)
3.5
回を重ねるごとにどう戦わすかorどう葛藤を作り出すかみたいなところがスタローン自身とも相まってテーマ性を深めているような気がする。
5作目にしてついにロッキー戦わず、リングの上ではなくて人生のその後を描く感じが『ビフォア・ミッドナイト』的哀愁が感じられて好きだった。
ドラマパートの良さが光る。トレーナーと選手の関係性に子どもが嫉妬する感じとか、ロッキーシリーズでしか描けなかったでしょって感じ。
前半の出来が良い分、後半のバトルパートへ向けて失速した感は否めず。デュークのビジネス寄りの姿勢との戦い(アンチ資本主義的)は分かるんだけど、トミー・ガンを最初のタイトルマッチで勝たせたら映画としてはダメでしょ。脚本としては圧倒的にそこで良さをつぶしてしまった。トミーが本来の強さ出せなくて負けたりして、メンタルの問題で悩んだりしてロッキーの偉大さを知り、そことの葛藤の中で互いに口下手なロッキーとトミーが想いを伝えようとして誰も見てないストリートで殴り合う、その先にロボットとしての存在を超える最強のトミーが見れる、とかだったらマジで最高だったな。そこに子どもの存在の意味合いとかも重ねて、ロッキー&トミー&ロッキージュニアで、デュークが乗り換えて用意したチャンピオンを倒して拳✊が3つ重なるとかさ…とにかく3人でドラマやってれば名作にもなりえた。
良作になれる要素はあったのに、ラストに向けてロッキー勝利みんなフゥーの流れに収束させたために起こったことなのかも。めちゃ惜しい。
ファイナルはちゃんと魅せてくださいね、期待してます。
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