ゴン吉

ロッキー5/最後のドラマのゴン吉のレビュー・感想・評価

ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)
4.0
無名の選手から国民的英雄に這い上がったボクサーの戦いを描いたサクセスラブストーリー「ロッキー」シリーズの第5弾。  

シルヴェスター・スタローンが脚本・主演を務め、タリア・シャイアがヒロインを演じ、セイジ・スタローン、トミー・モリソン、バート・ヤングらが共演。 
 
世界ヘビー級王者のロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)はソ連のモスクワでイワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)と死闘を繰り広げて身も心もボロボロになって帰国してみると、会計士の不適切な処理により破産してしまう。家財産をすべて失い、妻(タリア・シャイア)と息子(セイジ・スタローン)の三人で故郷のフィラデルフィアに戻り、今は亡きトレーナーのミッキーのジムを再開し、ボクサーの育成を始める。そこに若きトミー・ガン(トミー・モリソン)が入門し、破竹の勢いで連勝を続けるが…

ロッキーの弟子を演じたトミー・モリソンは、WBO・IBCの元世界ヘビー級チャンピオンであり、迫真のボクシングが楽しめる。
ロッキー・ジュニア役のセイジ・スタローンは、シルヴェスター・スタローンの実の息子なので注目です。

オープニングは前作のモスクワ戦のクライマックスシーンから始まり、前作の熱い記憶が呼び起こされる。
その後、奥さんの懇願によってボクサーを引退し、貧しくも家族三人で幸せに暮らし始める。しかしロッキーは有望な弟子ができると、弟子の指導に夢中になり家族を蔑ろにしてしまう。
父と息子、師匠と弟子の関係が対照的に描かれている。
幸せとは?生きがいとは?を投げかけた作品です。
さらには父親から愛情を注がれずに自分の力を頼りに生きてきた弟子を通して、息子にとって父親の大切さも伝わってくる。
「今 あなたが伝えることがあるなら自分の息子に伝えて欲しいの 目を覚まして ジュニアは一人ぼっちよ あなたが必要なの トミーはあなたを幸せな気分にしてくれる 自分がまた勝ってる気分にしてくれる でもあたしたちはどうなの? あなたは家族を失ってしまうのよ」 
シリーズのオマージュシーンが随所にあり、ファンには嬉しいサービスです。
そして家族愛に満ちたラストにホッコリです。

2023.5 BS松竹東急で鑑賞(よる8銀座シネマ・吹替)
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