ジャッキーケン

突撃のジャッキーケンのレビュー・感想・評価

突撃(1957年製作の映画)
3.7
映画を語る上で絶対に欠かすことのできない神様監督キューブリックの名作に埋もれた初期名作

「フルメタルジャケット」がキューブリック戦争映画の代表作と言われてるが本作も名作に位置付けするポテンシャルのある作品

ドイツvsフランスの塹壕戦を描き
100メートル取ったとられたと不毛な領土獲得争いに終止符を打つべく無理ゲーすぎる命令を主人公ら前線兵士が理不尽に背負わされ
これまた理不尽な法廷劇に狩り出される
「フルメタルジャケット」と同じく社会派戦争映画

カークダグラス演じる兵士兼弁護士の主人公が軍の上層部と法廷劇を繰り広げるのだが当時の上司絶対制度が理不尽極まる

「ダンサーインザダーク」のクライマックスを思い出す処刑台への行進は理不尽の塊

一見本筋に関係なさそうに見えるラストの囚われたドイツ人女性がフランス兵士が罵声を浴びせるも言語の違う女性から聞く美しく優しい歌声に涙する場面は国籍や人種は違えど哀しみと感動は等しく味わうことができる
みんな同じ人間なんだと普遍的反戦メッセージがグッとくる

ロシアウクライナ戦争も泥沼化してる現在において特にロシア兵の国の命令で強制的に戦場に駆り出されては逃げれば銃殺、杜撰な上層部の命令に命を落としてく兵士たちこの理不尽ぶりが57年作の本作とガッツリ被ってしまうのがプーチン政権の時代遅れぶりにはだはだ呆れてしまう