ヒロ

カニバイシュのヒロのレビュー・感想・評価

カニバイシュ(1988年製作の映画)
3.5
【貴族への愛ロニー】
バイオリンの調べに乗って紡がれる豪華絢爛貴族の晩餐会。子爵を想うマルガリータ、マルガリータを想う子爵とドン・ジョアンの三角関係。そして、観客にしか見えない語り部。

ん?この相関図どっかで観たことある。

ドン・ジョアンを、最近めっきり見かけなくなったのりピーではなく山Pに。マルガリータをキャバレーまさみに。子爵を人畜無害の藤木直人に。語り部を、妖精・三上博史に。バイオリンの調べをモンパチに。それぞれ代入すると、あら不思議、“プロポーズ大作戦”の出来上がり笑。それに気付いてからもう全く入ってこない笑。

『ナイト・オン・ザ・プラネット』的な青味がかった夜の照明、反射を利用したキメキメショット、パーフェクトカットバック。そんな精巧かつ巧妙なプロの技と、チープなメロドラマが永遠に交わらないねじれ関係に陥り、それが脳内でいつまでも解消できない。

そうこうしている間に迎えた初夜、ピタゴラスイッチならぬカニバリスイッチが突然Onになる。
人肉食らう映像に観客は喰われる。
そして、独身者はお仕置きよとばかりに突然『ロブスター』が発動され、最後はみんなで手を取り『暗殺の森』ダンス。

そしてエンディング、桑田佳祐の「あした晴れるかな」が流れ、さらに観客は喰われる。嘘です。

それにしても処理する案件が非常に多い、密度の濃い楽しい91分でした。
懐かしい“プロポーズ大作戦”。いや、そこ違う笑。

《永遠のオリヴェイラ》

2017-
ヒロ

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