イチロヲ

狼男とサムライのイチロヲのレビュー・感想・評価

狼男とサムライ(1983年製作の映画)
3.5
侵略戦争の爪痕により呪いを背負わされた男(ポール・ナッシー)が、東洋の賢者(天知茂)に解呪を願い出ようとする。ポール・ナッシーの「狼男シリーズ」を日本に持ち込んでいる、オカルト・ホラー。スペインと日本が合作している。

安土桃山時代の京都が主なる舞台。カリカチュア化されたトンデモ日本描写が含まれているが、どれも意図的なモノだと思われる。個人的には、くノ一の「裸に甲冑(裸にエプロン的なやつ)」がツボに入る。また、女妖術師の役で朝比奈順子が起用されている。

後半になると、天知茂が単独で大立ち回りを見せるため、もうほとんど天知茂の映画になっている。狼男との一騎打ちは、前半部のガンの飛ばし合いが最高潮であり、「眼力&眉間の皺力」で相手を尻込みさせてしまう。

また本作では、ポール・ナッシーが天知茂に巨額の製作費を無心。天知は借金を背負ったままの状態で、日本公開版の完成を待たずに他界してしまう。もはや、天知茂が呪いを掛けられたとしか思えない。
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