ドロシー・ストラットンが殺害される原因になった映画、と言えるかもしれない。でもヒモに若くして捕まった女性は、遅かれ早かれ悪いヒモとは切れただろうと思うけれども。
『華麗なる相続人』で不倫関係になったオードリー・ヘプバーンとベン・ギャザラのために、ピーター・ボクダノヴィッチが企画した映画でありつつ、撮影に入った時にはベン・ギャザラはもう他の女性とデキていたといういわくあり。そしてボクダノヴィッチは恋したドロシーのために、彼女の出番を大幅に増やすという改変をする。
オードリーの気品と、ドロシーの意外に洗練された、都会的な女性像は好印象。
軽やかな恋愛群像劇とは思えぬ舞台裏があって、日が当たらない作品だけれど、嫌いじゃない。こんなふうに気軽に男女が付き合う映画は、昨今では難しいかも。DVD化してほしい。