かりっと焼いた林檎と柑橘系果物

シェラ・デ・コブレの幽霊のかりっと焼いた林檎と柑橘系果物のネタバレレビュー・内容・結末

シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも怖過ぎて放映禁止作品になったという噂が出て話題になった作品。

この作品がAmazon prime videoで観られるとはとても嬉しいですね!未だに日本ではDVDもBlu-rayも未発売なので日本語字幕で鑑賞出来るのは今のところこれだけなのが残念。

建築家のネルソンは死んだはずの母親から電話がかかってくるので調査して欲しいと盲目の資産家に頼まれ資産家の妻と母親の納骨堂に行くと不可思議な怪奇現象が起こり恐ろしい女の幽霊が現れ、その幽霊の正体を調査すると「シェラ・デ・コブレ」という村の殺人事件に行き着き…というホラーと謎解きのあるストーリー。

とにかく女幽霊の出現シーンが恐ろしく女性が泣き叫んでる様な不気味な効果音に強烈なインパクトのある顔がトラウマになる程ゾッとさせられます。幽霊の光学合成におぞましい効果音が見事にマッチして現代でも古さを感じさせない素晴らしい映像演出だと思いました。

幽霊の正体と殺人事件の真相が徐々に明らかになっていく工程にシンプルながら引き込まれます。
そして明らかになる真相と罪を認め自首しようとする資産家の妻となおも隠蔽するため刃を手に取る妻の母親…そしてその因果応報とも言える最期に幽霊の悲哀と怨念を感じさせます。
恐ろしい姿になってしまった女幽霊よりも罪を認めず隠蔽しようとする母親が恐ろしいというやはり幽霊より怖いのは人間というラストは見事。
幽霊に取り憑かれ殺された母親が残った娘をあの世へ招こうとするシーンもゾッとさせられました。

Amazon prime videoでは日本語字幕のニュアンスがいまいちシーンと合わない部分が多く意味が分かりにくい点が残念でした。日本語字幕や吹替を収録したBlu-ray等が日本で発売してもらいたいものです。

古い作品ながら映像表現や演出、ストーリーは今見ても完成度が高く「トワイライトゾーン」や「ウルトラQ」、「怪奇大作戦」などがお好きな方にはおすすめです。