カレーをたべるしばいぬ

シェラ・デ・コブレの幽霊のカレーをたべるしばいぬのネタバレレビュー・内容・結末

シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます


当たり前のことだが、評判は観客本人の感想を決定付けないことの証左になった。

映像技術はさておき、当時の価値観なのか距離感なのか分からないけど、登場人物の振る舞いや尺のアンバランスさ、劇伴の仰々しさなど怖さを軽減してくる演出が多い。白黒だからとか、技術的な難しさとかは関係ない気がする。『サイコ』は怖いし。

話の流れもどことなく『サイコ』感あるけど、脚本家が同じ人だった。
でもやっぱり『サイコ』の方がずっと怖い。この作品には監督のやりたがり(俺の考えるお洒落な画を是非観てくれ感)が感じられる上、それがノイズになっている。ヒッチコックの凄さがわかる映画。
そこはカットした方が良くね?みたいなシーンが散見されるが、自然さの演出なのかな。

でも幽霊の演出はお洒落で不気味ではあるし、人間の怖さと幽霊の怖さを両方描いたのは良かった。ただ脚本に奥行きがないので、察しの悪い自分でもオチがすぐ分かってしまってその後がずっと眠かった。

あとこれは字幕が悪いのだが、後に続く文を複数に分けて表示するので否定が後に来た時に頭の中でなぞり直すのが疲れる。