ブラックユーモアホフマン

パリのスキャンダルのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

パリのスキャンダル(1946年製作の映画)
4.1
それでいいのか!?笑

ノワール×ロマンスって感じの話。
最後、嫉妬と劣等感から早とちりして妻を撃ち殺してしまう元警視総監は、『現金に体を張れ』のエリシャ・クックJr.を思い出した。

信じてくれる人全員を欺き、ムショ時代からの連れをも裏切り、彼から恨まれたら殺し、自分が惚れさせた女が自分のせいで死んだのに他の女と結婚して、その家族にはそれまで犯してきた罪のすべてを許してもらう主人公。カリスマはカリスマだが自分勝手な酷い奴。さすがに擁護できないw

むしろもっと非道なやつとして振り切って描かれていれば楽しめたと思うけど、妙にいい話みたいに終わるからどう捉えていいものか分からなくなる。

でもよく考えたら、寅さんみたいな奴なのかもな。モテる寅さん。人としてどうかとは思うけど好きになっちゃう感じの。でもそれは渥美清が演じるからそうなるのであって、ジョージ・サンダースではちょっとニュアンスが違うな。

しかし演出はさすがに面白くて、特に最後の回転遊具のところは異様さが際立ってたな。機械に殺される感じはホラー的ですらある。

【一番好きなシーン】
元警視総監が妻を撃ち殺すシーン。行商の格好をして鳥の入った籠を沢山背負ってるのも面白い。