三四郎

君が青春のときの三四郎のレビュー・感想・評価

君が青春のとき(1967年製作の映画)
3.5
正義感ぶって人を傷つけるのがマスコミだ。
部長の「考えてから行動しろ!」の言葉。本当にその通りだ。吉永小百合演じる若くて情熱だけで走り出す小娘に腹が立った笑
それにしても、佳作だ。日活青春ものにこんなに深いテーマの映画があったとは!

ジェームズ・ディーンとはタイプが全然違うけど、ナイーブというか繊細そうな山本圭の演技が、ジェームズ・ディーンを彷彿させた。
ジェームズ・ディーンの演技が上手いとかそんなことは思ったことないが、山本圭は素晴らしい演技だった。弱くて優しいクセに気取っていて斜に構えて…。グレている若者そのものの姿だった。カッコよく思えるほど上手い演技だった。現代でも通用しそうなサラサラヘアにサングラス姿。
この作品は、吉永小百合の青春ものではなく、山本圭の映画だと思えるほど、最高の演技だった。

山本圭が、ザボンが好きな吉永小百合の為に、ザボンが何か知らないが探して買って来たと言うシーンや、理解ある優しいお姉さんの十朱幸代に、パチンコ屋で吉永小百合について語るシーン…、心に響く泣けるシーンだ。
「今日のこと、悪く思うなよな。香のヤツ、本当に知らないって泣いてた。アイツ本当に知らなかったんだと思うな」「一郎、私もそう思うわ」「アァ」「そう思う私も…。あんたの友達だもん…」「アイツだけだもんな、俺とまともに付き合ってくれたの。…ハハハハッ…ザボン買ってったら喜びやがってよ…。もう縁切るけどよ。姉ちゃんに義理立てて」
サングラス姿でパチンコをしながら話す山本圭の横顔、そして奥からキャメラの方に顔を向け、山本圭を優しくいたわるような目で見つめる十朱幸代。姉弟のグッとくるシーンだね。

「ベルモンドのNGみたい」この科白のベルモンドはフランスの俳優のベルモンド?
三四郎

三四郎