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怒りのガンマン/銀山の大虐殺のtakのレビュー・感想・評価

3.0
リー・ヴァン・クリーフ主演のマカロニウエスタン。3000ドルの賞金首のフィリップを巡って、賞金稼ぎたちが群がる。彼はサクソン兄弟の父を殺害した罪で手配されている。元保安官のクレイトンは町で囲まれていたフィリップを助ける。フィリップは無実で、真犯人は別にいるからだとクレイトンは言う。フィリップはサクソン兄弟への復讐に燃えて、単身町へ乗り込む。

世間の評価は高くないと聞いていた。駅馬車でやってくる人々のユーモラスなやりとり、クレイトン一家に嫁入りする予定の女性が正義感を貫く様子が描かれて、ストーリーを盛り上げる要素は揃っているが、確かに中途半端な印象ではある。邦題になっているマシンガンによる虐殺場面は、遠景が多いのでさほど残虐には見えない。

殺害事件の真犯人をめぐるミステリー要素が面白い。モノクロームで描かれた事件の場面は、機関車の蒸気に隠れた相手との撃ち合い。犯人はシルエットでしか見えない演出がカッコいい。

ルイス・バカロフによる哀愁漂うテーマ曲が印象的。「キル・ビルvol.1」で、オーレン・イシイの生い立ちを語るアニメーションパートで、この曲が使用されている。辛い運命に立ち向かう様子が、メロディにマッチしている。「vol.1」で過去の場面がモノクロになっているのは、この映画の影響なんだろか。
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