茶一郎

くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-の茶一郎のレビュー・感想・評価

4.2
 実在のサッカー監督:ブライアン・クラフの成功と苦悩を2つの時代を行き来しながら描く。とても複雑な語り口をスマートにこなすのは、ほぼ無名ながら「英国王のスピーチ」でアカデミー監督賞を受賞したトム・フーパー。
 
 実に『自分の真の器を知ることで成長する男の物語』とすれば今作も「英国王のスピーチ」と共通するものがある。登場人物を画面の端に置き、対照的な関係をその端同士で視覚化する手法。また、被写界深度の浅い画面で会話する人物の顔を全面に映すことで会話劇に迫力を与える手法が印象的。

 これだけ複雑なストーリーを98分にまとめ、時代設計を見事に描写するその手腕に脱帽。一人の男→漢の成長・友情の物語としてもサッカー映画としても燃える一作。
茶一郎

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