Youtubeのホラー映画専門チャンネルThrillGoreで鑑賞可能な（ただし字幕無し）父親を亡くした女性が謎の殺人鬼に襲われる80sスラッシャー。「ターミネーター」や「エイリアン2」のブレイク前のビル・パクストンも出演。

スラッシャーとしては犠牲者の数も少ないし殺し方もあまり凝ってない、おまけに腹を執拗に刺しても全然血が出てなかったりするのですが白塗りメイクで黒マントの殺人鬼のビジュアルはなかなか良く暗闇から突然現れる様は少し驚きます。所々で心臓の鼓動が聴こえる演出も緊張感を煽り、終盤の〇〇を囲みモーツァルトの曲に合わせ指揮をするのは「アクエリアス」の先駆け的とも言える奇妙な美しさを感じましたし、思わずツッコミたくなるB級らしいエンディングも悪くありませんでした。

ビル・パクストンはなかなかの怪演を披露。彼の父親を演じたクリストファー・ジョージは今作が遺作だそうです。

クリスティーンはパパがプール事故で亡くなって以来、悪夢に苛まれる。何者かに命を狙われるようになるが、彼氏以外信じてくれない🥺周囲の人間が次々と何者かに殺されていく……🔪
オープニングからパパのプール事故は殺人なんじゃ？ていう悪夢を見てたり、ママが遺体安置所でカルト儀式してたり、廃墟にいた若者が殺されたり……怪さMAXで超楽しい！何言っても『あなたの妄想よ』で片付けられちゃうクリスティーンが可哀想
80年代のスラッシャーは無条件に好きだけど、これは血液が足りないから残念だった

• #80年代
• #アメリカ
• #スラッシャー★
• #ホラー
• #精神病

80年代前半と後半では、明らかにスラッシャー映画の雰囲気が違ってくる。前半は70年代の陰鬱さを引き継ぎながらもどこか牧歌的な雰囲気が宿っており、後半に行ってしまうとその牧歌性がただのおふざけに堕してしまい、個人的には楽しめない。

1983年製作の「モーチュアリー」は前半の陰鬱かつ牧歌的という時代精神を忠実に反映した作品だ。別に今作は何が優れている訳ではない。脚本もまあまあ、驚かせ描写はほどほど、ゴア表現は微妙。むしろ出来の悪い部類に入るかもしれない。そんな中でキャリア初期のビル・パクストンの存在感は際立つ、とも言い難い。いけすかない医学生役で、最後もなかなかな活躍を見せてくれるが、それで今作のクオリティが改善される訳ではない。

だがこの映画を観ていると、何か心が安らぐのを感じる。まるで炬燵に入りながら暖かなお茶を啜るような、そんな安心感があるのだ。正直予想の域を全く出ることのない、ホラー好きにとっては親しみ深いだろう拙い雰囲気は、もう1つ比喩を使うならば生温いお湯のようでもある。ここに身体を委ねていると、すこぶる心地がいい。様々な映画を経た後に、ふとここに帰ってきたくなる。