じろちぃ

遠い喇叭のじろちぃのレビュー・感想・評価

遠い喇叭(1963年製作の映画)
2.5
人の命が軽く失われる時代には、貞操観念ってもんがあんな感じになるのかなぁ。

まあ、それは置いといて、

先住民の人権を尊重する素敵な話として作られたのだろうけど、
どうしても今の価値観で観てしまうので、先住民が鏡を見て驚く様子を笑いポイントで挟むとかね、基本的に下に見てるよなあ、と。
しかも、〔以下ネタバレ)居留地に残してあげることにしましたというハッピーエンドなんだけど、いや、先住民だよ?先に住んでた民」だよ?なんで後からズカズカ入ってきたやつに指示されて囲いの中で飼われなきゃいかんのよとモヤモヤするんだな。本来、自分たちの暮らしていた元々の土地で自治が出来なきゃおかしいだろうよ。
これ、現代にも通じる問題。
暴力で実効支配しておきながら、こんなに守ってやってますよみたいな正義面をするあの国やあの国、あの団体やあの団体。
ヤツらの正義は対等ではない。優位な立ち位置で下々に施してやることが正義。施してもらった側は、ありがとうごぜえますだと感謝感激で頭を下げるべきという揺るがない土台の上に成り立っている。
この映画が美談や正義とみられる限り、世界はわかりあえないんだろうなぁ…などと遠くを見つめてしまう。

映画から話が逸れたので、最後に一点だけ映画のことを。

「馬、たくさん集めましたねー」
じろちぃ

じろちぃ