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セイブド!のtorakoaのレビュー・感想・評価

セイブド!(2004年製作の映画)
2.0
クリスチャン向けの高校(でいいのか)に通い真面目に信仰してるヒロインが、彼氏からゲイだと打ち明けられて彼を救わねばと使命感に燃えて考えた末に初体験、彼は家族にゲイ雑誌が見つかり治療施設に送られてしまい……といった話。

コミカルな宗教ネタに色々問題点を混ぜ込みながらトーン明るめな作品。面白そうなのにあんまり面白くない。古い青春ラブコメに宗教ネタ混ぜただけみたいな非常にチープな味わい。話やキャラのベースが30年前くらい前のまま止まってる感じ。ロックンロールハイスクールぐらい古そう。ハイスクールミュージカルも大体こんなんだった気もしてきたけど。

ユダヤ人の不良女子が漫画キャラすぎて、こんなのどうすれば普通に話が通じそうな人に変わっていけるんだろうと思ってたら何だか一転して主人公の親友になったり、これまた漫画キャラな小学生的ボス女子みたいな親友が主人公と大して会話もないままに仲違いして(理由はわかるけど描写としては唐突)険悪な仲になったり、不思議な展開の連続。

校長息子が主人公を気に入ったのは美人だから。彼を主人公が気になるのもひと目見た途端。車椅子のマコーレー・カルキンと不良女子は割と即くっついて理解し合ってるらしい。ついて行けないよー。何故にそこでキス?ついて行けないよー。小見出しだけを見せられてるような展開で、何と言うか情緒がない。

悪役が色々やって云々なあたりもアナクロだし、校長息子はとりあえず主人公に男宛てがっとけ的やっつけ感でキャラに魅力ないし、プロムとやらが超重要なのもあるあるながら感覚がわからないし、不良女子は終盤すっかり個性が漂白されてただいるだけみたいになってるし、終盤の小学生的ボス女子の行動が謎だし。何だかんだでハッピーエンドになるのは嫌いじゃないけど、そこに至るまでが、いつものあれでちょちょっと起伏つけました程度で何だかなーと。

主人公達は正義・打倒悪役みたいな図式で安易に話動かすやつが苦手なのもある。悪役も小学生みたいだし、報復とばかりに喜々として意地の悪いことをして溜飲を下げる主人公も好きになれない。書いてて思ったけど、これが自称敬虔なクリスチャンの姿だというシニカルなネタなのかなー。
リメイクされることはないだろうけど、別の脚本家とか漫画家とかならもっとちゃんと面白くできる素材だったんじゃないかなーこれ。

自分が父だと知らされた彼の反応は嘘くさくない感じの演技でよかったので、そこで色々赦せる気がしてしまったけど。彼はたまにほんのりジマーマン(フィギュアスケート)似な気がする。校長と顔の系統似てて、この二人のほうが親子感出たんじゃないかなと思った。
あとマコーレー・カルキンのわかりにくい仮装は好きだったしフォーマルな彼は美しかった。主人公母子美人。ヒロインは『プライドと偏見』の愚妹の人。

不良女子は割と肉感的な割に細身の胴、そして豊乳で長身という、見る度何か驚きのある容姿の持ち主。スーザン・サランドンの実娘だそう。父似なのかな。薄っすらジェニファー・ロペス似な気がしたボス女子はちょっとムチムチでみっちり肉厚なスタイルの良さが素敵。ジャケ写中央がそうなんだが、この写真だと松原のぶえ似だ。芝居はちょっと過分なやってやるぜ感があるように思ったけどこれから期待の人達という感じ。
校長息子は正直何か垢抜けないモテ男だった。転入生マジックか。

スポーツマンの彼がゲイだなんて信じられない、っつってフィギュアスケートかよ!ってのがね。あるあるで笑えるネタなのはわかるんだけど、北米マッチョイズムによりフィギュアスケートやってる男はゲイだと言われがちな風潮を苦々しく思ってるフィギュアスケート好きとしてはあんまり笑えず。
思い出したこと。男性はちょっとしたことでゲイ疑惑を持たれるらしく、トートバッグはゲイだとか長財布はゲイだとか、この色着てたらゲイだとか決めつけが色々あるそうで。マッチョイズムが過ぎて頭どうかしちゃってるな。



多分セルDVDのみ。
吹替なし。字幕翻訳:田中武人
文末省略で何を言わんとしてるのかわからないところがちょこちょこあった。
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