ミシンそば

サイコティックのミシンそばのレビュー・感想・評価

サイコティック(1974年製作の映画)
2.8
エリザベス・テイラー主演作ながら、風貌はけばけばしくおっぱいが見えても大して嬉しくないような珍品。
70年代の彼女の作品はどれも知名度低めだが、イタリアでこんな映画に出ていたとは…。

ハンブルク在住の人生に疲れた中年女性リースが、運命の相手にめぐり合うためローマに無茶苦茶ドギツイファッションでバカンスに出かける。
と言うのがザックリしたあらすじだが、冷静になって考えればこの時期のテイラーにそれをやらせるかってくらいお花畑過ぎるあらすじである。
そして観ていくうちに、彼女が演じている役柄の精神状態は、お花畑くらいだったらまだマシ程度には参ってることが明かされていくのだが、時系列シャッフルの試みが70年代初期の映画であるにも関わらず成されていて(まぁ、古くは戦前からある手法だが)、ちょっとだけ混乱した。
混乱したけど、観終わってから考えると、かなり分かりやすい構図だった(結果だけを隠して、羅生門形式的に過程を警察が取り調べていくスタイル)。

最初リースがヨーロッパを股に掛ける犯罪者なのかとも思ったけど、結末はやはり全然違うものだった。
面白くはなかったけどそこだけは予想を裏切られた。