アーモンドフィッシュ

コマンドメンツのアーモンドフィッシュのレビュー・感想・評価

コマンドメンツ(1997年製作の映画)
3.2
「Commandments」(1997年)は、人生が破綻した後に十戒全てを破ることを決意した男の物語を描いた、ダニエル・タプリッツ監督によるダークコメディです。主演はエイダン・クイン、コートニー・コックス、アンソニー・ラパーリアが演じています。今作は日本未公開で、Twitterのフォロワーさんが、今作の日本語字幕化をされており、興味が湧いたので鑑賞。

主人公は人生の全てを失った男、セス・ワーナー(エイダン・クイン)。彼は不運を神のせいにし、神に挑戦するために十戒全てを破ることを決意します。その生活の舞台となるのは義理の妹レイチェル(コートニー・コックス)とその浮気性の夫、ハリー(アンソニー・ラパーリア)の家です。ここで彼の十戒を破る冒険が始まるのです。

この映画はブラックコメディではありますが、映画は信仰、道徳、救済といった重厚なテーマを見事に描き出しています。図書館で神の名を大声で連呼し十戒にある「神の名をみだりに唱えてはならないこと」を破ったり、レイチェルと寝ることで隣人の妻を欲したりするなど、笑いを誘う場面もありますが、雷雨の中で屋上に立って神に立ち向かうシーンやハリーがレイチェルの妊娠を知ったときなど、ドラマチックで感動する場面もあるんです。

この映画は、笑いながら考えさせられます。セスが十戒を破ることで他人にどんな影響を与えるのか、自分自身も傷つくことを学んでいくんです。それに救済を求めることや罪の後悔と許しもテーマにしてて、最後はセスが赦されるのです。どう許されるかはネタバレのため自粛しますね。ユダヤ教の教えから始まって、キリスト教の赦しで締めくくられるって、すごく興味深い展開です。

深いテーマを扱ってるけど、まぁまぁ面白かったです!ブラックコメディが好きなら絶対におすすめ!でもちょっと物議を醸す要素もあるから、すべての人には合わないかもしれないけど、それでも洞察を深めさせられるし、考えさせられる価値のある作品だと思いますね

なんで日本で公開されてないのかな?版権の問題とかなのかな?もっとたくさんの人に見てほしい作品だと思うんですけどね…