有名ホラー女優に異常な憧れを抱き、彼女を主演に映画撮影する事を夢見るタクシードライバーのおっさん。
彼女と映画を撮るためなら仕事放り出してカンヌにも行くし、邪魔者は容赦なくブチ殺しまくるぜっていう猟奇的ストーカーの話。
…と思いきや予想外の展開もあり、巷の評価に反して意外と楽しめてしまった私です。
ちなみにマネキン大好きおじさんが出て来るあの元祖「マニアック」とは微塵も関係ない。
お話云々の前にまず映像と音楽が最高に好みだった。
ギラギラした色鮮やかな感じや、髪型・メイク・ファッションがどことなくシンセウェイヴとかニューウェイヴの世界観を彷彿とさせる。
その映像にぴったりな昔懐かしいポップスもノリが良くて聴いててアガる。
有名ホラー女優のケバケバしいメイクや髪型は時代こそ感じれど奇抜で可愛い。
主人公であるタクシードライバーのおっさんは絶妙のキャスティング。
失礼ながら見た目だけで既に冴えなくて気持ち悪いもんだからストーカー気質の役柄にぴったり。
このおっさんがホラー女優を見て興奮したり、妄想癖を爆発させたり、ストリップを見て我慢できず襲い掛かったりするとこなんか、キモい通り越してもはや哀しくすらなる…。
大して長くもない尺の割にはダレるところも確かにあるんだけど、私好みな80年代の世界観と音楽が盛り沢山で、そこだけでも充分満足しちゃったな。
ストンと気が抜けるようなラストもお茶目で憎めない。
