囚人をその監視役が移送する、という点では個人的に超お気に入り作品である「ミッドナイト・ラン」と似ているが、そちらが道中の出来事の面白さで最後まで引っ張っていくのに対し、こちらは若い堅物捜査官と手練れの囚人とをぶつけ合わせながら徐々に理解が深まりぎこちなさが取れていく、という繊細な関係値の描写が中心。本来ロードムービーもこうした「違う立場の人間同士がお互いを認めていく」過程を描く映画は大の大好物のはずなのだが、思ったほどハマらなかったのはこの若干の地味さが理由かな。とはいえ十分楽しめたし、まだCTUでキレ者になる前の(笑)キーファー、そして前後半でガラッと印象を変えてやっぱこの人巧いなあと思うデニス・ホッパーとの掛け合いを観ているだけでも十分。
