ずけし67

ブラッド・スポーツのずけし67のレビュー・感想・評価

ブラッド・スポーツ(1987年製作の映画)
4.3
ヴァン・ダム vs ヤン・スエ!!
ぬおぉーーー、この対決が見れるだけで鼻血ブーなのですが、これがヴァン・ダムの初主演作ということで何とも感慨深いものがあるというね。

幼少の頃から師の教えで空手(←田中流空手。そんなのあるのか?ないよねたぶん)を学んだヴァン・ダムが、最強の称号を得るべく香港で開催される格闘技トーナメント " KUMITE (組み手) " に出場し、世界中から集まった猛者たちと闘いを繰り広げるというお話。

まずもって単純明快なストーリー、短尺、シンプル構成が良き。
冒頭、トーナメント会場の設営風景から始まり、ヴァン・ダムの生い立ちや他の出場者らを紹介がてらサクッと見せたら、あとの尺は全てトーナメントに当てるという潔さよ。

そして我こそはと集まってくるファイターや格闘流派も個性的で、空手、カンフー、キックボクシング、ムエタイ、相撲レスラーなどなど多種多様の異種格闘技戦、言わばドラゴンボールの天下一武道会のようで、その会場も香港ということもありアジアチック且つアングラな雰囲気で good です。

見どころは当然主演のヴァン・ダム、と言いたいところですが僕的にはヤン・スエがその宿敵として相変わらずのヒールっぷりで主役級の活躍を見せてくれたところが何とも胸熱で上がりましたね。

試合はルール無用の何でもあり、殺しても可、そんなだから既に戦意喪失で勝負はついてる相手に対してもワル顔全開でとどめを刺すヤン・スエよ、本職のボディビルダーを彷彿させる筋肉ムキムキパフォーマンスとそのキメ顔も健在でもう最高。

トーナメントでは様々な出場者らの闘いをたっぷり見せつつ、勝ち上がった決勝のカードは待ってましたのヴァン・ダム vs ヤン・スエ! 本作のクライマックスであり一番の盛り上がりを見せる、、わけですが、、いろいろ撒いてきた伏線の回収や小ネタを盛り込むもので闘いが 長い長い、スローモーションの連発で延びる延びる、でもいいのです!面白いのです!だって80年代なんだもん!

それにしてもこの頃のヴァン・ダムは、そのビルドアップされた肉体美はもちろんですが、いちいち無駄にぶち込んでくるキメポーズも初々 しいし、肌艶も良く瞳もキラキラと輝きを放っており、ついでに髪型も七三分けだし、とにかくこれからは俺の時代だと言わんばかりの勢いが感じられて、そんなフレッシュなオーラが漂っていてとてもワクワクしましたね。

代名詞の股割り開脚や柔らかい身体を活かしたハイキックや回し蹴りもこの頃から健在で映えておりましたよ。

いやいやこんなのコナー・マクレガーとかアデサニヤらUFCファイターが出たら皆んな秒で殺られるとか、打撃だけじゃなく寝技も出来なきゃダメダメとか真顔で突っ込み入れるのはナ〜ンセンスってことで、若くてエネルギッシュなヴァン・ダムとヤン・スエの筋肉、そして80年代のユルフワなアクションをニヨニヨしながら楽しんだ者が勝ち、そんな 作品でありました。
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