荒野の狼

宋家の三姉妹の荒野の狼のレビュー・感想・評価

宋家の三姉妹(1997年製作の映画)
5.0
1997年香港・日本合作の145分の映画。2009年制作の中国映画でThe Founding of a Republic『建国大業』で孫文の妻宋慶齢と蒋介石の妻宋美齢が1945-1949年に大きな影響力を持っていたことを知り、興味が湧いたので本作を見た。描かれているのは日中戦争終結くらいまでで、歴史上の人物としては孫文と蒋介石が主に登場。中国の近現代史の理解にも、歴史に翻弄される一家族のストーリーとしても評価できる作品。
なお本作で宋美齢を演じているヴィヴィアン・ウーは「建国大業」でも同じ役で、本作が日中戦争終結までで話は終わっているため、本作を好きな人には、「建国大業」が本作の続編のような形で楽しめるので薦めたい。
本作では蒋介石が妻子がありながら宋美齢との結婚を望むことが非難されているが、孫文が同様に宋慶齢と結婚する前に前妻がいたことなどには触れられていない。国父の孫文に気を使ったシナリオであろうと推察される。ミシェール・ヨーが演じる長女の宋靄齢は、夫である孔祥熙と共に登場し、出演場面も多いが死については本作では触れられていない。また三姉妹の両親はよく描かれているが、兄弟で政治家・実業家の宋子文は本作には登場しない。
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