爆裂BOX

レザー・ブレイドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

レザー・ブレイド(1998年製作の映画)
3.4
邪悪な伯爵と恋人との決闘に巻き込まれて命を落としたリリスは、伯爵によって吸血鬼にされる。現代、リリスは「死の天使」と呼ばれる凄腕の殺し屋として活躍していた…というストーリー。
「ALIENS エイリアンズ」や「パンプキンヘッド 復讐の謝肉祭」のジェイク・ウエスト監督のデビュー作である女ヴァンパイア主人公にしたアクションホラーです。
リリスは依頼をこなしていくが、ターゲットとなった「指輪」を持つ者は秘密結社「イルミナティ」の一員であり、イルミナティは刑事プライスに彼女を追わせる。指輪の回収に失敗したリリスは、依頼主に仲介屋で愛人のプラチナムを人質にとられ、イルミナティと対決する。その首領こそ自分を吸血鬼にしたブレイク卿だったという内容です。
一応、上記のようなストーリーはあると思うんですが、ストーリーはあってないようなもので、トウのたった巨乳ボンテージ女性のエロ&アクションシーン楽しむ一種のPV映像みたいになってます。映像もMVかドラッグムービーっぽい感じ。
主人公の女吸血鬼リリスのモノローグで進んでいって、暗殺対象者とのアクションシーンもありますが、主に彼女の吸血鬼としてのライフスタイルがメインで描かれます。一般に伝わる吸血鬼伝承はブラム・ストーカーの創作で、鏡にも映るしニンニクも十字架も平気、日中も平気で活動できる(目の細胞は傷つくのでサングラスは必要)、蝙蝠や霧に変身は出来ないという設定は面白いですね。殺し屋として活動してる以外はクラブで吸血鬼マニア相手に実際の吸血鬼の特徴や生活を語ってるのもなんか面白い。銃で何発撃たれても死にませんが、血を流しすぎるとヤバいのか、ターゲットや護衛の人間を吸血して回復します。気に入った人間も吸血して殺しますが、血を吸われただけでは吸血鬼にならず、血を飲ませる事で同族にできる設定は古典的な吸血鬼要素感じさせます。ただ、事ある毎にのけぞって牙出すシーンも多すぎて「分かったからもういいよ」と言いたくなります。
主人公が伝説の殺し屋設定の割には動きがイマイチなのでアクションシーンはお世辞にも迫力があるとは言えません。後半で刺客たちを二丁拳銃で返り討ちにしていくシーンも迫力なかったですね。
リリス退治を命じられた刑事プライスが、逮捕したリリスを「吸血鬼だろ!」と直球で追及して同僚から追い出される所はちょっと笑いました。強そうな見た目してないけど、リリス殺そうとして腹に杭刺されても案外平気そうだったり結構タフ。
かつて殺し屋で今は仲介屋をしているプラチナムがリリスの為に再び銃とる決意する所はベタながら燃えましたがアッサリ…その後、伯爵の屋敷に乗り込んで護衛の女吸血鬼やプライスも駆けつけて最終決戦になる所は盛り上がりかけましたが、女吸血鬼弱すぎ(笑)
伯爵との最後の戦いはソードバトルになりましたが、アクション的には迫力ないし最終対決にしては盛り上がらなかったな。
その後のラストのトンデモナイ展開には呆気にとられますが、イギリスらしいブラックなユーモア溢れるものになってますね。死んでいった人達報われないなぁ(笑)
「エイリアンズ」のようなハチャメチャスプラッターな感じはないですが、一風変わったヴァンパイア物としては楽しめるかもしれません。