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ザ・ベイビー/呪われた密室の恐怖のkanacoのレビュー・感想・評価

3.6
映像は古いが絵の奇妙さと展開が光るトリッキーホラー。ソーシャルワーカーのアンが新しく担当になった家のベイビーのその姿とは!家族VSアン、ベイビーを巡るお互い一歩も譲らぬ仁義なき女の戦いと全編に漂っている雰囲気の歪さがポイント。84分という短さなので結末予想の勝負をするのも楽しいかも😄(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
福祉事務所に勤めるソーシャルワーカーのアンは新しくワズワース家の担当となった。ワズワース家には母親と娘が2人、そして息子が1人。その息子(名をベイビー)は成人しているにも関わらず“赤ちゃんのまま”を余儀なくされて育っており、体だけ成長しているも話すことも歩くこともできない状態となっていた。家族の異常な愛によって精神も身体能力も赤ん坊のまま成長を止められてしまった成人ベイビー。この異常な光景を目にしたアンはベイビーを救うためベイビーを外に出すべきだと彼の家族を説得しようとするが…。

❶赤ちゃんは成人男性!?奇妙さある絵が強いトリッキーホラー

1972年制作という昔の作品ですが、映像は古くても絵力の奇妙さと展開が面白かったトリッキーホラー。ソーシャルワーカーの女性が異常な考え方を持つ家族が住む家を訪れて、そこで虐げられている子供を救おうとする物語です。

ただその子供が…成人している赤ちゃん!

ソーシャルワーカーのアンが新しく担当になったのはワズワース家。母親と娘が2人、そして息子が1人という家族構成なのですが、問題は息子。名前はベイビー。彼はどこからどう見ても立派な成人ですが、ベビーベッドで眠り、オムツをして、哺乳瓶を咥えて、流動食を食べさせてもらい、ベビークリームを塗ってもらう。移動はハイハイしかできず、摑まり立ちもおぼつかない。もちろん会話をすることはできず泣くか「あうあう」言うかのみ…。

このベイビーを初めて見た瞬間はアンもkanacoも思わず「(・・)❕❓」と凝視。

完全に精神・思考・行動が赤ちゃんのままの成人男性!母や姉たちの偏執的な愛情が、健常者であったはずの人間の発育に圧力を加え成長を抑制。しかもかつてベイビーに近づいた人間は失踪者になったという記録もある…。これはさすがにヤバすぎる…ということで、アンはベイビーをこの家から救い出そうと奮闘します。

❷ベイビーを巡るお互い一歩も譲れぬ女の戦いと全編に漂う雰囲気の歪さ

成人の赤ちゃん…これが視覚的に相当インパクトがありました。成人男性、めちゃくちゃバブバブな赤ちゃんになっている😂ベイビーを演じる役者さんの見事な赤ちゃんプレイ…じゃなかった、見事な赤ちゃんムーブ!戦慄する教育方針ですし虐待によってこうなったということで、その意味ではもちろんベイビーが可哀想でありますが、正直その異質で頭が困惑する光景です。

またベイビーはずっとバブバブしていますが、他のキャラクターたちもサイコパスか精神状態のかなり不安定な方たちが勢ぞろい。ベイビーの歪さと同様に映画全体にも歪な雰囲気が漂い続け、ずっと【妙】。そんな中で繰り広げられる〈ベイビーを家から出したくないワズワース家〉と〈ベイビーを家から出したいアン〉の戦いは探り合いと衝突でバッチバチです。ベイビーを巡るお互い一歩も譲れぬ仁義なき女の戦い!

❸84分、結末予想の勝負!!

U-nextのポイント欄によれば「衝撃的な内容から、当時問い合わせが殺到したという幻の怪作」とのこと。序盤から奇抜な状態なので最終的にどうなるのか気になり私も展開を予測しながら鑑賞。ジャンルはホラーに分類されていると思いますが、どちらかというとサイコサスペンスかサイコスリラーの面が強いかも。でも終盤はけっこうホラー感もあって緊張張り詰めハラハラしました🥺

84分という短い作品なので、ラストがどうなってしまうのか考えながら勝負鑑賞するのも楽しいかもです。

なお、kanacoの予測は惨敗! チーン(:3 」∠)_
対戦ありがとうございました!!

👶🐝「映画が始まってすぐは、ママの下睫毛が濃い…長女の毛量が多い…ソーシャルワーカーのスカートが短い…とかどうでもいい所にばかり目が行っていましたが、ベイビーが出てきてからは画面の異常さによってそちらにくぎ付け!…でもやっぱり長女の毛量が多い🤔(まだ言う)」
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