垂直落下式サミング

関東テキヤ一家の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

関東テキヤ一家(1969年製作の映画)
3.5
鈴木則文は、笑えて切なくてスカッとさせてくれるという簡単なようで難しいことを当たり前のようにやってくれる監督だ。「義侠心の強い主人公が最後にブチキレて敵の組に殴り込む」というのは、色んな映画で死ぬほどみた筋書きだが、手堅い作りの物語はいつの時代でも安心してみることができる。
待田京介が敵の組に殴り込みをかける場面で『ウエストサイド物語』のポスターが見切れたり、石井富子が意地でもパンチラしなかったり、「安保促進!祖国をアカの手から守れ!」のポスターに飛び散った赤い血が雨に流されてゆくラストなど、変なところに気が利いていて面白い。