風の旅人

チャイナ・ムーンの風の旅人のレビュー・感想・評価

チャイナ・ムーン(1994年製作の映画)
3.5
「魔性の女 白い肌に秘められた殺意」という火曜サスペンス劇場のようなサブタイトルが安っぽいが、なかなか面白かった。
レイチェル役のマデリーン・ストーの美しさに魅了される。
「チャイナ・ムーン(血の月)」と呼ばれる満月の魔力に魅せられるように、刑事のカイル(エド・ハリス)は人妻のレイチェルと不倫関係になる。
二度の離婚歴があるレイチェルは、ただ夫の束縛から自由になりたいがために、カイルを利用しているだけのように映るが、カイルはレイチェルにのめり込んでいく。
しかしいつしか偽りの愛は本物の愛へと変わっていくという話。
ファム・ファタール(運命の女)は意図的に男を破滅させるというより、ファム・ファタールに出逢った男が勝手に自滅していく。
そこにファム・ファタールの魅力、墜ちていく快楽がある。
たとえ悲劇に終わろうとも、男は束の間の悦びに酔い痴れる。
それは何もない人生よりも価値がある。
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