物理学映画の皮を被った勢いのみ映画。
前半と後半で全く違う代物になっている映画。原作はきっと物理学ベースのキチンとした作りなんだろうな〜と思わせる内容なのだが、いかんせん映画化に合わせて知能指数を一気に下げた印象。
なぜ宇宙が出来たのか?どうすれば宇宙は作れるのか?という一種哲学的にも感じられる問題を真面目に考える序盤の構図は正直、難解な単語の連発で、厨二病に一回なったことがある身としては気恥ずかしい内容だが、しっかりしている。
4つの力、超ひも理論、対称性の崩れと言った物理学のお話を分かりやすく解説しているのだが、その序盤も面白いのだが、ハッキリ言って後半はまるで違う方向にいっている。
真面目にロックンロールで世界を救う的な話に変わっているのが、なんとも三池さんらしくて良い。(突然出てくる謎マイクなど最高)
そして、ヒロインの感情などどうなっているのかなど、前半の知能指数の高さからかけ離れた内容に落ち着いているのも良い。
完全に主義主張が無茶苦茶なのが、なんとも言えず、癖になる。前半の真面目っぷりからのあまりに強引なB級路線への転換はなんとも面白い。
絶対原作ファンは怒るだろう改変をしまくっているが、この映画はなかなかB級映画としては完成度が高く、実に面白い。
素晴らしい素材を集めて、結局ミキサーでグチャグチャにしてから、お好み焼きにしているような感じがたまらない。
また、主人公の馬鹿っぷりが全くもって信頼出来る内容になっているのも良い。(いい意味で本当に情熱的な馬鹿に見える)
終わり方もある意味酷いが、それ込みで個人的には前半とのギャップでやられてしまう感じがあるので、結構好み。