イチロヲ

五本指の野獣のイチロヲのレビュー・感想・評価

五本指の野獣(1946年製作の映画)
4.0
事故死した老齢のピアニストが、晩期を支えてくれた看護婦に相続権を与えてしまう。相続問題を口火にした犯罪劇を描いている、怪奇サスペンス。ワーナー・ブラザースがホラーに初進出した作品と言われている。

老齢のピアニスト、元作曲家の男、占星術師の秘書。この3人が主人公の看護婦を恋慕しており、互いに妬み嫉みを抱えた状態で、ピアニストの老人だけが転落死する。そこに、彼らの恋愛事情を知らない親族が加わり、心理戦が展開される。

後半部に入ると、ピアニストの手首が徘徊する怪異現象が発生して、遺言に反発を覚える人物が殺害されていく。秘書(ピーター・ローレ)が手首の目撃者となり、全身をビクつかせながら、信じる・信じない問答を繰り広げる。

手首が動き回る様子を特撮映像で真っ向から演出しているため、すでに絵面が愉快なことになっている。不器用で脆弱な男を演じるピーター・ローレが、手首相手にドッタンバッタンする時点で、もうお腹いっぱい。
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