短いのが見たくて「コントラクトキラー」をみる。
アキ・カウリスマキは5本目だけど今ひとつわからなくて、これで寝落ちしたらしばらくは離れようと思って見始めたら案外楽しめた。
空気感に浸れるかどうかが1番大事なのかも。
自分は合ってないけど理解はできる。
セリフが極端に少なく無表情、無機質、動きの少ない演技。練習なしの一発撮りだからか、全体的に計算されてる感は強い(一本で衣装やインテリア、小物はしっかり使い込まれた感がある)そこから生まれる絶妙なアンバランスさ。
だからといってミニマルという単語で表せるような洗練とは違う
削ぎ落とした洗練だとしたら、LEMAIREとか、今ならザロウとかぽいかというとそんなことはなくかといってUNIQLOやGAPみたいなベーシックという雰囲気でもない。
それらを10年着古したような野暮ったさが作品全体を包んでいる。
今作は、絶望の淵にある主人公に再び希望が芽生える話なんだけど、登場人物それぞれの人生の幸福観が描かれていて、それをほとんどセリフがない中、情報の少ない演技の中で構成しているからやっぱりすごいのかも。
因みに演技もしっとりした邦画である抑えた演技(でも上手い)とかではなくヘタウマ
テンポがいいわけでもないけどリズム感は良く、笑いもくすっとすらならないけどここちよい。
そういうなんとも言えないバランスから生まれる、労働者の生活を淡々と描く。(リアルかというとそうでもない)