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ルー・リード:ロックンロール・マイハートのmamのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ルー・リードについての、バンド結成前から97年頃までのストーリーを、当時の映像や音楽、本人インタビューや関係者の証言でまとめた本作。

裕福なユダヤ人家庭に育ち、学んだピアノではクラシックよりもブルースやドゥー・ワップに魅了される。(むかし本で読んだ、同性愛傾向のある10代のルイス(本名)に電気ショック治療を受けさせようとしたり、バンド結成後も事あるごとに精神病院に入れようとした家族との確執は描かれていなかった)
大学の恩師で詩人のデルモア・シュワルツから詩のなんたるかを学ぶ。

レコード会社で働きはじめるも会社の方針で売れ筋のサーフミュージックを作曲。会社がキーボードとヴィオラが弾けるイギリス人のジョン・ケイルを引っ張ってくる。
価値観の合ったルーとケイルはストリートで演奏し始め、ルーはギター、ケイルはヴィオラ。その頃に既に出来ていた「Heroin」を演奏。そこにルーと同じ大学だったスターリング・モリソン(ギター)が加入し、彼の紹介でモーリン・タッカー(ドラム)が入り、64年にThe Velvet Undergroundの結成となる。

映像作家のバーバラ・ルービンがヴェルヴェッツをアンディ・ウォーホルに紹介。
ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグのビートニク文学のようなことを音楽で試みようとしていたルー。1stはアンディに出会う前に書いたものが多かった。
パティ・スミーーース!!!が「Heroin」を賞賛。
アンディ企画のイベントEPI(Exploding Plastic Inevitable)映像かっこよすぎるし、ムチ打ちたまらん!話題のニコを加入させ、メディアを操る達人アンディのお陰でヴェルヴェッツも有名になっていく。ライブを行っていたMax’s Kansas City(マクシズ・カンザスシティ:CBGBと比較されがちなクラブ)にはジャニス・ジョップリン、ジム・モリソン、ツィッギー、VIVAなどの有名人が集まったという。

2ndはアンディから離れ、ルーとケイルで制作。ケイルと問題が生じる。
3rdはケイルが脱退した影響からかメロウな曲が多い。4thをリリース直後にルーが脱退。

ソロへの転換期にお互いの音楽性を評価していたデヴィッド・ボウイと出会い、一緒に作ろうと出来たのが「トランスフォーマー」。
「ワイルドサイドを歩け」はマクシズ・カンザスシティのドラッグクイーンやゲイの事を歌っている。革新的な事をしているのに全く報われていない彼女たちに光を当てたルー。

「ベルリン」では人間関係の崩壊を歌っている。
「ロックン・ロール・アニマル」の為に作り出したというキャラクターは、短髪メイク&黒ネイルに鋲いっぱいのブラックスタイルで超絶かっこいい!
87年のアンディの死をきっかけに久しぶりに再会したケイルと作った、アンディへの愛を込めた「ソングス・フォー・ドレラ」。

93年にヴェルヴェッツが再結成ツアーをしていたのは知らなかった。
96年ロックの殿堂でのパティ・スミスの三つ編みがキュートすぎる。
ローリー・アンダーソン(3番目の妻)と共演している97年のコンサート。

登場人物の「スクリーンテスト」で終わりとなるエンドロールも良かった。
ジョナス・メカスとパティ・スミスの耐えきれずに笑っちゃうのが可愛かった。

本作から約15年後に亡くなるルー・リード。2013年の”日曜日の朝”に召されるとか、レジェンドは散り際までかっこよすぎる…!と震えたものだ。とっても とっても とっても悲しかったけど…。

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中学時代、おそらく初めて聴いた洋楽アルバムがヴェルヴェッツの1st。とにかく衝撃的で、The Velvet Undergroundが今も昔も不動のNo.1。アンディの存在を知るよりもヴェルヴェッツのが先だった。「Venus In Furs(毛皮のヴィーナス)」をウォークマンでリピートしながら通学していた記憶が蘇った。
92年のマジック・アンド・ロスJAPANツアーで観ておいて良かった!(眠かったけど…)
2004年フジに行けなかった事が悔やまれすぎるてるから。

2022-19
2023-422 再見
10年前の今日(13.10/27)に召されたルーを偲んで...
mam

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