てれ

新ポリス・ストーリーのてれのレビュー・感想・評価

新ポリス・ストーリー(1993年製作の映画)
4.5
チェン・カークイが主人公のポリス・ストーリー/警察故事シリーズとは全く関係ない本作。
これは香港で実際に起きた社長の誘拐事件を基にした映画で、怖いと感じるシーンが多かった。それでも“Interesting”という方の意味でとても面白く最後まで目が釘付けだった。

実話ということで、他の刑事物のジャッキー映画よりも警察としての重責や苦悩が等身大に描かれていること、そして精神の傷を抱えながらも仕事を全うするエディ・チェン刑事を演じるジャッキーの演技力が素晴らしい。自分も血まみれになりながらなお重傷の部下を助けてほしいと懇願する姿は本当に痛々しかった。

今回、悪役は完全な悪とも言いきれないと思ったの私だけなのかな。長年命をかけているのにも関わらず待遇が良くないことから悪の道に走った刑事。華やかなイメージとは裏腹に、人間の心を狂わせてしまうこともある仕事なのかと暗い気持ちになってしまった。

片手で数えるくらいでしか笑わない、氷のように鋭いジャッキー。匂い立つ色気があって、最高にカッコよかった。

追記
社長夫人の日本語Wikipediaが存在したので読んだ。夫人は夫と12歳の時から付き合っていたらしい。それを知ると、この実際の誘拐事件の結末はあまりにも悲しすぎる……
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