'20〜'21冬のホラー/ミステリー祭⑩+⑧
ホラーのルチオ・フルチ(ン)監督が撮った日本ではTV放映のみで終わった幻の【ジャーロ】。
富裕層一族の娘、キャロル(フロリンダ・ボルカン)は、毎晩悪夢に苛まれ、その夢には隣人のジュリアが開く[乱行パーティー]が写し出されていた。キャロルは、掛かりつけの精神科医に相談するのだが…。
冒頭から炸裂するサイケでエロティックな【幻夢】。
ほぼ手持ちによる撮影、引きが少なくアップを多用、ダリ男監督のような仰々しい【カメラワークのクセ】は無いが、時に長回しでパンさせたり効果を上げている。演出では、スプリットスリーンは多用せず、1度だけ効果的に飛び出す。
【エンニオ・モリコーネ】の劇伴はゴブリンより大人しめだが、しっかりツボを抑えている。
ミステリー、サスペンスの犯人探しという観点では、ご都合主義、強引な脚本は否めない。
それよりも本作の魅力は、ヴィジュアル面で、【見処満載】と言える。死体の刺し傷やリアル過ぎて動物虐待疑惑で【裁判沙汰】になった曰く付き ◯の抉られたはらわた は、想像よりも遥かにリアルだった。
血糊(色)もダリ男作品より上質だ。
ハイライト(クライマックス)と言える後半の教会でのキャロルと謎の男の対決は、キャロルの顔を捉えた【高速連続ズーム】や、ヒッチ監督の【鳥】から影響を受け⁉︎ダリ男監督の【サスペリア】に影響を与えた⁉︎と捉えられるシチュエーションがスリリングでベスト・シークエンス‼︎
前半のテンポはややゆっくり、後半からはいささか急ぎ足になる印象。
引っ張ってラストで明かされる、真相、、これは、【サスペリア2】に匹敵する⁉︎大胆不適(強引)なミスド(トリック)だったと分かる。
*ジャーロの始まりは、マリ男監督の【モデル連続殺人!('63)】。
新版ジャケ写は、あまり好きじゃ無い。
↓
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B08GG2DFZY/ref=tmm_fbs_blu_title_1?ie=UTF8&qid=&sr=