フライ

ブラック・サンデーのフライのレビュー・感想・評価

ブラック・サンデー(1977年製作の映画)
3.7
余りにも荒唐無稽なテロを計画した作品だが、テロ行為の残虐性や実行しようとする人間の悲しさと執念、狂気に終始目が離せない面白さがあった。
余りにも突拍子も無く且つ、余りにも恐ろしいテロ計画を描いた内容は、終始ドキドキしながら最後迄釘付けに。本作の面白さは、テロを阻止しようとする正義であるイスラエルの特殊部隊やFBIの展開も有るが、それ以上にテロを実行しようとするパレスチナ過激派の女テロリストとベトナム帰還兵が精神を病み国や家族に裏切られた男のシュールさと狂気の展開に魅力が。
ロバート・ショーが演じる特殊部隊員の仲間の死や、作戦の失敗による後悔も心揺さぶられるものがあるが、テロリスト側の作戦の難航と執念、恐ろしい実験などによる狂気、色々な遺恨や終始漂う緊張感で複雑な気分になりながら観ていた。
色々といわく付きの作品だが、当時の時代背景や現在置かれている世界の実情、実際に小規模とは言え本作で使われた爆弾でのテロが行われているだけに、色々な想いが湧いて来た。多少のチープ感は有るが、ストーリーとキャストの良さでかなり楽しめた作品。
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