うにたべたい

地球へ2千万マイルのうにたべたいのレビュー・感想・評価

地球へ2千万マイル(1957年製作の映画)
3.9
特撮という技術において世界的に最も功績を持つ、レイ・ハリーハウゼンの代表作として名高い作品。
本作に登場する金星怪獣「イーマ」は、氏の素晴らしいストップモーション・アニメーションで表現されていて、モノクロフィルムにも関わらず、その迫力、恐ろしさが鮮明に伝わってくるものになっています。

舞台はイタリア。
シシリー島沖合に落下したロケットから、現地の漁師は2人の乗組員を救い出します。
うち1人は既に助かる見込みのない重症を負っていて、隊長のカルダー大佐のみが快復する。
その一方で、少年ぺぺは、浜に謎の筒が流れ着いているのを発見する。
その筒に入った、ぺぺは島に滞在中のレオナルド博士にブヨブヨした物体を売りつけるが、実はロケットは金星からの帰還船で、その物体は、金星から来たものだった。
生命の存在できる環境ではない金星で生存する秘密を探るために持ち出した"物体"をカルダー大佐は探すが、時すでに遅く、"物体"からは未知の生命体が孵化していた。
この生命体こそ、金星怪獣「イーマ」です。
イーマはブルドックのような顔をした、マッシヴな二足歩行のトカゲのような姿で、孵化直前はネコほどの大きさでしたが、地球の大気の影響で数時間後には人間大ほど、そして一軒家ほどの大きさに成長します。

動きは機敏で、飛びかかって襲う姿は野獣を想起しました。
ストップモーション・アニメーションらしくグリグリ動きます。
動きはとても自然で滑らかに感じました。
ただ、私自身がレイ・ハリーハウゼン作品をもう何作品も見ていて慣れていることもあるので、ストップモーション・アニメーション初心者は違和感を覚える可能性ありです。

ストーリー展開はシンプルで、古い作品ですが、退屈は感じませんでした。
ただ、銃弾も大砲もものともしないほど頑丈なはずのイーマの幕切れとしては、ラストはあっさりし過ぎていて、違和感を感じました。
ラスト2分前まで、どう収集つけるの!?となっていたのに、あの終わり方は、ちょっと。