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未来世界のKUBOのレビュー・感想・評価

未来世界(1976年製作の映画)
3.5
新海外ドラマのための復習第2弾。「ウエストワールド」の続編が何故「フューチャーワールド」でなく「未来世界」? 77年当時「future」って言葉がカタカナ語としてそんなに市民権を得てなかったのかな? 原題のままの方が1作目との統一感もあるし、いいのにね。

「ウエストワールド」でのロボットたちの反乱後もデロス・ランドが営業を続けてるってのがそもそもビックリなんだけど、今回はそこにピーター・フォンダ扮する新聞記者がデロスの秘密を暴くべく潜入取材を敢行するっていうのがミソ。ピーター・フォンダのナス型のメガネとか70年代だな〜って懐かしさ満点!

パークに来る有名人ゲストの中に日本刀持ってるMr.タカグチっていう日本人が出てくるんだけど、周りにちやほやされまくってロボットを斬り殺しては笑顔で写真に撮られてる。70年代、高度成長期の日本はちょうど今の中国人みたいに海外に行っては爆買いして迷惑かけてたんでしょうね。今はハリウッド映画の中に出てくる東洋人はほとんど中国人だけど、当時は日本人だったんだよね。

さて、余談ばっかりだったので本題。インパクトで言ったら第1作でしょうが、SFとしたら本作の方が面白い。単純にAIの叛乱をパークのゲスト目線で追った前作がパニック映画的だったのに比して、本作では記者がそれを暴くサスペンス的な路線を取っている。SF的目線では、「他人の夢を映像化して見る」なんて発想、映像的には追いついていないけど「インセプション」とか「攻殻機動隊」なんかの世界をもうすでに提示しちゃってたりする。特撮技術に限界があっても発想には限界はない。本作の核心である更なるデロスの叛乱の中身まで含めて、よくできたSF作品だ。J.J.が作る新作ドラマも、きっとこっちの方の主題がメインテーマになるんじゃないかな? では、心置き無く新作を待つとしましょう。
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