エグすぎる描写の数々に胃もたれする。リナ・ウェルトミューラーやリリアーナ・カヴァーニなどイタリア人女性監督が描く戦争映画ってどれも描写が生々し過ぎる。爪が入った食事、赤ん坊のような魚、ケツを出しながら爆死する兵士。モラルが崩壊した世界の描写の数々に気が滅入る。戦争を舞台にしているのに終盤はまさかのディザスター展開になるという所も良かった。街は混乱を極める中、気高いパイロット女性が自国の兵士たちにレイプされる！！ラスト、アメリカ兵を歓迎してくれたローマのイタリア人の末路は本当に酷い。マストロヤンニのあの顔も納得。

• #2024_kankan_boy

出産の小芝居を囲んで手伝いのマンマも踊るゲイパーティーの音楽が最高、のれん一枚くぐればベートーベン。米兵には娘の処女を見物させ、モロッコ兵には息子を売る親たち。道徳的に振る舞う人間はみな歪んでいる世界、戦場まで写さなくともそこらの戦争映画とは比較にならないほどの爪痕を残す。ぬか喜びに水を差すラスト。こう書くといかにも辛気臭そうな映画に聞こえるが、どこまでも豪華絢爛な撮影、グロテスクな表現こそ華々しく美しい。

ウンコしようとしたら地雷を踏んで内臓が飛び出す兵士、彼を励ますためにムッソリーニのモノマネをするイタリア軍大尉、小人症の娼婦たちを前に「君の国は平均身長が高すぎるから誰か選んで連れて帰れ」とジョークを飛ばす将校、父親が処女の娘を売り、母親が息子を売春させ、ナポリ王室の人魚の丸焼きにマヨネーズをかけていただきま～す！マストロヤンニ、ランカスター、カルディナーレが揃いも揃ってちょっとどうかしてる笑えない戦争喜劇。ジャーロも真っ青なラストに漂う謎の哀愁、こりゃカルトだぜ。

• #jaVHS