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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ V/天地撃攘のfieldのレビュー・感想・評価

3.7
シリーズ五作目、背景だけは前作の流れを汲んだ文卓版黄飛鴻。西太后の逃亡で乱れる治安に乗じ海陸両方で暴れる広東省南部の海賊。最も勢力のある百歳越えのチョン・ポーツァイ、船長は大王と呼ばれる息子のチョン・ユンルン、妻のイン。海と言っても洞窟や船上で基本スタジオだろう。

法官がおらず米泥棒させるほど日々に困窮してる裁判所、髭を生やした治安官チェーセは天地大乱の時に孫文だったチャン・ティエリンだ。海賊に怯え死の町と化し、再生へ乗り出す師匠というのが基本ストーリーになるが今回も弟子たちの活躍がしっかり描かれてる。フーは相変わらずコケにされたりコミカルに立ち回ってる。
師匠、父、メイ、鬼脚に合流する恋人イー、エイに出っ歯のソー。ソーはジャッキー・チュンだと嬉しかったがエイのケント・チェンも帰ってきてメインの弟子たちが揃い踏みなのが嬉しい。
前作からの流れをしっかり汲んでるのがイーの妹メイの存在。抱き合う師匠らに細かいショットで動揺するメイ、すかさず見抜くイー。弟子たちに求愛させたのも空回りしたが姉を想っての事だし気遣う姉と深過ぎず、姉妹愛がある。
待ちきれず簡易な結婚式で指輪に喜ぶイーも師匠とメイの影に勘違いした弟子たちがキャーキャー騒いでるのも可愛かったな。

腕ごと掻っ攫う野蛮な海賊に送られてきた指詰の箱、命と同じく大事な米蔵を狙われるチウは活気が戻ったら値上げをし、番も虚しく戦場と化したが宝石の雪崩に下敷きになったポーツァイと同じ欲をかいた者が辿りやすい末路。
船で待ち伏せし乗り込むアジトは正面突破に近い形で、武術が出来ないソーは得意の銃を熟し活躍してる。緩めのコメディを挟みつつ金銀財宝の中猿のように飛び回る強敵ポーツァイと師匠の対決は不安定な壺の上で見応えある。官帽被りミイラのようで雰囲気も出てる。全体的に夜のシーンが多く赤い照明を使ってるのが若干観づらい。
財宝を取られ、仕込み銃の槍を使う大王の報復を待ち伏せした町での戦い。まさかの火薬だったが時代の流れか、時折使う銃に派手さはあるものの徒手が弱くなってしまったのが残念だ。ドンパチ成分に肝心の黄飛鴻像も薄れてしまってる。平和と共に赴任してきた軍への辞令被り、一人離れるメイの船は帰港し問題は続く、締めも若干緩い。
谷垣さんいるらしいがスタントか出演かは不明。
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