ねこ無双

シルバー・サドル 新・復讐の用心棒のねこ無双のレビュー・感想・評価

3.8
畑違い?と思いながらもどれもなかなか面白いフルチ監督の西部劇。
前回観た『荒野の処刑』はちょっと変速で、今回が一番正統派な西部劇といった感じ。
脚本家は『復讐の用心棒』や『豹/ジャガー』(これは共作)などの西部劇も手掛けたアドリアーノ・ボルツォーニ。
(私はどちらも存じあげておりません💦)

主人公ロイを演じるジュリアーナ・ジェンマが優しさも併せ持つタフガイを演じる。
確かなガンさばき、身のこなし軽やか。
くらへの乗り方あまりにもカッコよくてびっくり。
たびたび西部劇で活躍してきたジェンマでしたが、どうやら今作が最後の西部劇出演となったようです。

なりゆきで助ける事になった少年との旅が綴られ、宿敵との対決が訪れるストーリーです。

乾いた風の音が荒野に響き渡る中の銃撃戦。
後半の展開はどうなるかハラハラ。
黒幕はだいたい予想もつくもそこまでいたる道がスリリング。
そして少年との擬似親子のような、師弟のような関係も描かれる。
ラストの意外な隠し球には思わず微笑まずにはいられないと思う。

これ言われないとフルチだって気付けない…と思ったけど、ここは!と思ったところが少年を守ってくれた修道院のエピソードでしょうか。ここあたりはちょっと毒気のある表現です。

テーマソングが『荒野の処刑』と同じコンポーザーと知って納得。ちょっと西部劇にしては聞き慣れない音楽なんだけど(多分)、これがノスタルジックで暖かい雰囲気を醸し出してます。

この後のフルチとジェンマ。
フルチは『サンゲリア』『ビヨンド』とホラーへと舵きりしてくことになります。
ジェンマはアクション映画などに出演されてたようですが、なぜかアルジェント監督の『シャドー』で警部役として出演されてるのがフィルモグラフィで目を惹きますね。