茜

X線の眼を持つ男の茜のレビュー・感想・評価

X線の眼を持つ男(1963年製作の映画)
3.5
コーマン先生の透視モノ。
見え過ぎちゃって困るノォ~っていうお話。

主人公である博士が目薬を開発し、自らが実験台となってその効力を試したところ、効き目があり過ぎて見えちゃいけないものまで見えるようになる。
初めは体内を透視して病を発見するといった良い使い方をしていたのに、博士はどんどん調子に乗ってしまい、更なる効果を求めて過剰に薬を点眼するようになってしまう…。

この内容でエロ成分皆無な事にガッカリする人も多いかもですが、時代的に映像の派手さはないものの、堅実にじっくり展開される破滅感は結構好み。
現代技術で作り直したらゴテゴテのCGで埋め尽くされそうですが、この60年代ならではの古臭さが漂う透視シーンは今観ると逆にお洒落で愛着が沸く。
オープニングやエンディングなんかもそうだけど、透視シーンが原色のサイケな色合いで表現されていて何だかミステリアス…。
全能感を得た男が神の導きによって自滅させられる…といった深みを感じさせるような皮肉めいたラストも好き。
低予算且つ撮影期間3週間という事で紛れもなくB級ではあるんだけど、中身はひたすら真面目な印象でチープさは感じられなかった。

オープニングに出て来る神経付きの目玉が本物っぽくてワクワクしたのと、この時代にも全眼コンタクトってあったのねという驚き。
茜