監督はロバート・アルトマン。
虚実が入り混じっていく映画、中でも女性が男性への不信感からそのスパイラルに入っていく映画の系譜にあたる。
ロマン・ポランスキーの『反撥』『ローズマリーの赤ちゃん』などが筆頭だと思うが、それらと比べても虚実の混濁度合いはかなり高い方だと思う。
主人公のキャサリンは謎の女からの電話がきて夫の浮気を疑いだす。そこから幻覚が見えるようになってきて、自分のドッペルゲンガーまで出てくる。
この幻覚の演出が怖い。
思わぬところから急に見知らぬ人が出てきたり、夫であるはずの人の見た目が全く別人に変わってしまったり。どんどんルール無用な状況になっていって、こちらも今起きてることがどこまで真実なのかわからない。
アルトマンは理論的に計算して映画作ってることがよくわかる作品だった