みんと

ロバート・アルトマンのイメージズのみんとのレビュー・感想・評価

4.0
ロバート・アルトマン監督3作目を鑑賞。
『ロング・グッドバイ』はかなり好みだったけれど、独特のクセも感じていて、途中ギブアップ作品も数作。

これも良い意味クセ強め、そして精神に訴えるホラーだった。でも嫌いじゃない。

主演のスザンナ・ヨークの原作『ユニコーンを探して』を下敷きに、アルトマンが幻覚症状に悩まされる人妻の姿を描いた作品。

人妻キャスリンは夫が浮気しているという謎の電話をきっかけに、昔の恋人の幻影を見始める。心配する夫と共に田舎で静養することになるが、症状はおさまるどころかさらにエスカレートしていくのだった……。

幻聴や幻視に始まり、次第に周囲の男性たちのアイデンティティが区別できなくなり、ついにはドッペルゲンガーと対峙するに至ると言う、なかなか複雑を極めた精神状態を映像化していた。

因みにオリジナル脚本はアルトマン自身と主演女優ヨークの共作。劇中で読み上げられる童話も、彼女が書いた作品とのこと。

通して不気味さを音と音楽で煽る。ズーム・ショットで煽る。小物で煽る。
そしてハッと息をも飲む。更には、どう言う事?!と理解不能にも陥る。
先に観たベルイマンの『鏡の中の女』同様、主人公の精神の崩壊作品続きもあってか、観ているこっちまで精神に異常をきたしそう。

ただ、じりっじりっと追い詰められるような感覚は嫌いじゃない。ヒィィ!ゾクッ!も嫌いじゃない。

このシリーズ(『女性映画三部作』)はイケる気がする。むしろ楽しみ!
みんと

みんと