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ヒルズ・ラン・レッド -殺人の記録-のYSKのレビュー・感想・評価

3.7
余りの恐ろしさと残酷さに映画館が軒並み上映を中止、予告編が現存しているのみでフィルムも監督も行方不明となっている曰くつきの映画『ヒルズ・レッド・ラン』、その作品を何が何でもどうにかして見てみたいと魅せられた主人公がふとしたきっかけで関係者と出会い…
というあらすじだけ聞くと100回以上擦られて手垢のつききった作品のようにも思えますが、思いのほか楽しく見られました

というのもジャケットにもなっているベイビーフェイスくんですが、自らの顔の皮を剥がし、そこに赤ん坊用のお人形の顔を直に縫いつけるという、意味はわからないがインパクトは素晴らしい存在なのです
オープニングでは皮を剥がすところから縫いつけるところまでを余すことなく見せてくれますし、『ヒルズ・レッド・ラン』の予告編を含めて最初の5分だけですでに100万点くらいあります、これマジ

主人公がジャンキーなアバズレと堕ちた監督の娘に出会い、かつて撮影を行った森に行くことになり、実はそこには本当にベイビーフェイスが隠れ住んでいたという「現実と虚構」が入り混じった展開は昨今の流行りを抑えていて素晴らしいし、血のりこそ安っぽさが見えるものの頑張ってグロいことをしようヒドいことをしようという気構えも伝わってきます

最終盤こそバタバタしてしまったきらいはありますが、ベイビーフェイスというキャラをいかしてシリーズとしても良さそうだと思いましたね
半ば無理やり連れてこられたあげくひどいめにあう主人公の友人カップルが不憫で最高
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