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ハウス・バイ・ザ・リバーのmareのレビュー・感想・評価

ハウス・バイ・ザ・リバー(1950年製作の映画)
3.5
男が異常な心理に操られ理解不能の狂気に陥っていく様は年代的にもまさにブニュエルのエルのようだ。予期せぬ犠牲と引き換えに手にした彼の成功は、健全な感覚への再起不能を意味し一切を排除しようとする狂気に駆り立てる。フリッツラングはまだ全然掘れてないんだけどメトロポリスやMといい本当に作風が多彩だと思う。今作は不条理スリラーだ。この映画の影響なのかは自分の想像だけど、韓国映画の下女でも"階段"が不吉の象徴として描かれたり、何かしら良からぬ予兆の仕掛けとして機能しているのは興味深い。タイトルにもあるように川もかなり不気味な演出に仕上がっており、流れても流れても封印したはずのものが亡霊のように漂うシーンがある意味本作の一番の恐怖の瞬間だと感じる。川沿いの家には住みたくない。
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