ベビーパウダー山崎

ハウス・バイ・ザ・リバーのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

ハウス・バイ・ザ・リバー(1950年製作の映画)
3.5
例え裁判で無罪だったとしても足が不自由で陰気な人だからという偏見から犯人だと決めつけ、家の窓を割り、陰口を叩く民衆、勝手な正義を掲げ他人を追い込む名もなき人々こそラングが一貫して描いてきた真の恐ろしさ。ラングのサスペンス、ノワールはその事件性より、人間のどす黒さ、卑しさがまずあり、つまりどうしようもない「孤独」(からの絶望)が根底にはある。足の不自由な弟に向かって兄の妻が「あなた孤独なの」と驚く、あの一瞬、映画が鈍く輝く。