Rena

ハウス・バイ・ザ・リバーのRenaのレビュー・感想・評価

ハウス・バイ・ザ・リバー(1950年製作の映画)
4.3
冒頭の川の描写からもう、不気味 全開
舞台となる邸宅の怪しい雰囲気もまた、いいですね。

川のそばにある邸宅に住む主人公。
妻が出かけている隙に下心から家政婦にちょっかいを出すのですが、執拗に騒がれ 結果殺人。
その死体の処理に必死になっているところにちょうど弟が訪ねて来たため、あの手この手で泣きついて協力してもらい川へと遺棄するのですが、この兄である主人公は助けてもらったにもかかわらず『 お前も共犯だ 』と言ってのける 最低・非情 な人間です。

ここから "性悪な売れない小説家の兄" と "誠実な会計士の弟" の行き着く先を描いていくのですが、その対比が絶妙!! そして、その読めない展開にハラハラし、ドキドキが止まらず、このなんとも言えない感覚を意のままに味わわさせる手腕が物の見事に最高でした。

窓越しのカーテンに映る家政婦の 影・形 に興奮し、浴槽の排水の音に 含み笑いが止まらない...
気配を消し、悪趣味に様子をうかがう主人公の変態加減にだいぶ引きますが、まだ序の口。

狂気・身勝手・耳を疑う言葉の数々
飄々と嘘を重ね、堂々とした態度で周囲を転がすように誘導し、それに面白いように乗せられていく住民たち

元来持っていた 性悪・狡猾 な部分が殺人を犯したことによって露呈し、悪の道へとまっしぐら。
犯した罪を利用し 貪欲に伸し上がる様が凄まじく、

そこまでする!? まだ追い込むの?
もうやめて!!!!

と、追い詰められながら鑑賞していました。

まさに、私が求めていた展開
大満足!!
傑作です!!
Rena

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