私生活でも深い仲であった主演2人(スペンサー・トレーシー、キャサリン・ヘプバーン)の演技の呼吸は、さすがにピタリと合ってはいるが、ロマンスを語らせるには、ちと無理があった。脚本は、最低でも10歳ずつくらい若い俳優向け。年相応の大人の恋を描いている感じではない。
当時の米国でこの2人の共演は、日本に例えると寅さんが分不相応な若い娘に恋をしても「おかしい」と誰も思わなかったような、”お約束”として受け取られていたのでしょうね。
社長の情報統制の思惑とは裏腹に、あっという間に社長の意図が社内中に知れ渡ってしまうのは、今でもあるあるの、なかなか面白いシチュエーションでした。
巨大コンピューターが今となっては滑稽そのもの。IBMは、かつて高性能コンピューターの分野では独壇場だったが、その後のダウンサイジングの流れの中で苦境に陥ったことが偲ばれる。当然、この映画の制作された時代より20年以上後のことになるが。
キャサリン・ヘプバーンとギグ・ヤングのカップルは、母親と息子のようなイメージがあり、意外だったが、調べてみると実際にはたった6歳の差しかなく驚き。