ギズモX

地獄のバスターズのギズモXのレビュー・感想・評価

地獄のバスターズ(1976年製作の映画)
3.9
【栄光なき消耗品軍団】

終始ドッカンドッカンな銃撃戦が繰り広げられるイタリア産の70年代戦争アクション映画。
タランティーノの『イングロリアスバスターズ』の元ネタの一つ。

護送中に襲撃を受けて脱走した連合軍のならず者達がナチスを蹴散らしながら中立国のスイス目指して一直線に逃亡していたら、途中ですったもんだあって、結局レジスタンスと一緒にV2ロケットのジャイロコンパスを強奪する一大作戦に巻き込まれるストーリー。

娯楽系マカロニ西部劇を第二次世界大戦でやったような作風だ。
もうのっけっけからクライマックス。

トラックがパンクして動けなくなったところを空爆されて恰好の的になってるのにも関わらず、連合軍の兵士から「逃げたら撃つぞ」と言われて、味方からも銃撃される不条理極まりない状況に陥ってしまう。
しかし、それを難なく突破しちゃうのがマカロニ流。

その後もナチスに処刑されそうになったり、裸の女達に銃撃されたり、ナチスに変装したアメリカ軍特殊部隊とバトルしたり、成功率が低い任務についたりと、やたらと絶対絶命な展開が続くけどならず者達はサラッとはねのける。

この映画は敵からも味方からも追われる連中が、自由を求めてただ己のためだけに戦う話で、テーマや根っこは深いが、奴らのやることなすことはそれに反してはちゃめちゃだ。
そしてとても軽い!
「クソ喰らえ!」と言わんばかりに死体の山が出来上がる!
最後はお約束といわんばかりにドッカーン!!

ラストのエンドロールは爽快さでも悲惨さでもない何かが溢れていてなんか熱くなる。

彼らこそ、70年代の消耗品軍団"エクスペンダブルス"だ!
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